僕の友達の話だけど、適応障害を患いながら転職活動を進めようとしているんだ。
面接で申告するべきかどうか迷っているらしくて、よかったら解決策を教えてくれないかな?
そうだな、頻繁な通院が必要となれば転職には不利かもしれない。
今回は適応障害の面接でどのように伝えるべきか紹介しよう。
精神疾患の1つである適応障害(ストレス性障害)は、日常生活における強いストレスが原因となり引き起こされる心身のバランスが崩れた状態を指します。
会社でのストレスを理由に「転職したい」と考えていても、既に適応障害を発症しているケースがあります。
では、転職活動を行うにあたって面接時に適応障害について伝えるべきなのでしょうか?
このページでは、適応障害の疑いがある方、もしくは適応障害と診断された方に向けて転職活動をスムーズに進めるためのポイントを紹介しています。
- 適応障害が転職に及ぼす影響
- 面接で適応障害を伝えるべきか
- 転職を成功させるためのポイント
- 休職中の収入、傷病手当金について
転職のまとめページはこちら
適応障害の症状とうつ病との関係
強い不安やストレス、プレッシャーにより引き起こされる適応障害(ストレス性障害)は、気分の落ち込みや不眠などの症状を引き起こし、物事に対する意欲を失ったり健康的な生活を送れなくなる原因となります。
また、適応障害はうつ病につながるサインとも言われており、症状を患った状態でさらなる負荷がかかることでうつ病を発症する可能性があります。
簡単にまとめると、適応障害はストレスに対して心身が反応している状態であり、脳の働きに影響を及ぼす前の段階ということになります。
適応障害が転職活動に及ぼす影響とは
ところで、適応障害は転職活動にどう影響するの?
なんとなく不利になるイメージはあるけど。
そうだな、症状の重さによって影響は異なるぞ。
適応障害の主な原因はストレスであるため、薬による治療はあまり行われません。
主な治療は、ストレスの原因を取り除いたり休養する方法になります。また、この他にも認知行動療法や薬物療法が行われることもあります。
うつ病とは異なり通院の回数もそれほど多くないため、軽い適応障害であれば転職活動への影響は少ないです。
しかし、転職活動を行うことで精神的に負担がかかっていたり、うつ病に近い症状が出ている場合には更なるストレスは避けなければなりません。医師との相談のもとで転職を進めていくことになるため、ドクターストップがかかることも珍しくありません。
思うように活動が進まないこともあると認識した上で転職を進めると良いでしょう。
適応障害は面接で伝えるべきか?
適応障害の症状や転職活動への影響についてはよくわかったけれど、面接試験の時に伝えるべきなのかな?
そうだな、正直に伝えることで選考に不利になる可能性はあるが、隠して入社すると後に発覚した際に問題になることがある。
必ず申告するべきなんだ。
適応障害を患っている方の中には「面接で伝えると採用に不利になるかもしれない」「何を言われるか分からなくて怖い」などの理由で、面接官に自身の症状を伝えるべきかどうか悩んでいる方がいます。
自分のマイナスポイントを隠したいという気持ちがあっても、面接では適応障害について伝えるべきです。
適応障害であることを伝えると選考ではマイナス評価を受けることが多くあります。
しかし、今後働いていく上で業務に影響及ぼすような精神疾患があるにも関わらず、その情報を故意に隠していたとなると、経歴詐称や雇用契約への違反となります。
会社での信用を失うだけでなく、内定や雇用を破棄されたり損失を補うために損害賠償を請求される可能性もあるため隠蔽のリスクは非常に大きいです。
適応障害に対する面接官の声とは
実際に企業で採用担当をしている方の声を見てみましょう。
当サイト、転職ステップでは、面接官として採用に携わっている方、過去に面接官を務めていた方など、3名の採用担当者からコメントを募集しました。
50代・男性・Kさん
職業:セラミック部品メーカー、役員
適応障害を患いながら面接に参加する方は時々おられます。私たちとしては、経験や人間性の方を大切にしていますので無理のない範囲で採用したいと思っています。
30代・男性・Sさん
職業:建築金物、人事
適応障害があっても隠さずに伝えてもらいたいと思っています。人にはそれぞれの都合がありますから否定することはありません。
後の発覚がお互いにとって最も良くないことなのでちゃんと話してください。
40代・女性・Nさん
職業:エンジニア職、元採用担当
時折、適応障害やうつ病をごまかして入社しようとする方がいましたが、こちらは何百人という方々の面接を担当しておりましたのですぐにバレます。
正直にお話し頂けた方が私達としても前向きに検討しやすいです。
寄せられた回答の全てが、適応障害は正直に話すべきとなっていました。採用担当者としては精神疾患を隠されることに何のメリットもないため、当然の結果ではあります。
また、適応障害があることを正直に話した場合、それを踏まえた上で前向きに検討したいと考えている面接官もいることが分かります。
面接で適応障害を伝える時のポイント
そっか、適応障害については面接でちゃんと申告したほうがいいんだね。わかってくれる面接官もいるみたいで少し安心したよ。
面接官は何百、何千という応募者に対応しているから適応障害やうつ病患った応募者に対応したこともあるだろう。
ここからは、適応障害を面接でどのように伝えるか紹介しよう。
適応障害を患っている方は面接で正直に伝えるべきです。しかし、選考で不利になる可能性を考えると「伝えたくない」と感じてしまうことでしょう。
そんな方のために、面接試験で適応障害を伝える際に押さえておきたいポイントを紹介します。面接での減点を避けるために参考になさってください。
- 現状と仕事への影響を詳しく説明する
- 面接でのネガティブな発言は控える
- 志望動機や自己PRをはっきりさせる
現状と仕事への影響を詳しく説明する
面接では適応障害を申告するべきと紹介しましたが、この時に面接官は「どれくらいの症状なのか」「仕事には影響が出るのか」の2点を気にしています。
既往歴については聞きづらいこともあるため、現状と仕事への影響を応募者側から詳しく説明しましょう。
「自分の症状について詳しく話したくない」と感じる方もいると思いますが、必要な情報を正しく伝える事は相手に真面目で誠実な印象を与えます。場合によっては、面接官の心を引きつけ前向きに検討してもらえることもあります。
また、転職時に適応障害が完治、もしくは治りかけている場合には、医師からの診断書を提出して仕事に支障をきたさないことをアピールできると良いでしょう。
面接でのネガティブな発言は控える
面接で自身の適応障害について話す際には、ネガティブな発言は避けましょう。
前の会社の労働環境や人間関係など悪いところを挙げてしまうと、印象が悪くなるだけでなく「性格や人間性にも問題がある」と受け取られかねません。
また、適応障害についてよく理解していない人が面接官だった場合、マイナスな表現を多用することで「うつ病なのではないか」「全く治っている様子が見られない」と判断されてしまう可能性があるため注意が必要です。
志望動機や自己PRをはっきりさせる
適応障害など自身のマイナスポイントを伝えた際に『話しきった感』を感じて満足してしまう方がいます。
しかし、既往歴はあくまでも申告事項であり、面接試験で最も重要なのは志望動機や自己PRの部分をしっかりと伝えることです。
以下の情報について偏りなく話せるよう面接練習を行いましょう。
- 自己紹介、自己PR
- 志望動機
- その会社を選んだ理由
- 入社後にやりたいこと、キャリアビジョン
質問形式で行われる面接もあれば対話形式で進められる場合もあります。様々な面接形式に対応できるよういくつかのパターンを想定して練習すると良いでしょう。
面接では絶対に嘘をついてはいけない
ハローワークに頼ったら、適応障害を隠して転職するよう勧められることがあるみたい。
健康であると嘘をついても良いのかな?
精神疾患をあえて伝えない人もいるが、嘘をつくのは駄目だ!
面接時に重要な情報を故意に隠すのは良くないことですが、嘘をつくのは更に悪いことです。
適応障害について伝えなかったことがバレた場合、面接を担当した社員は「言いづらいことだから隠したい気持ちは分かる」と納得してくれるケースもあります。
しかし、虚偽の発言には明らかに『騙す意図』があるため、バレた時には内定や信用を失うだけでなく、マイナスの評価を付けられることになります。
また、虚偽の内容が非常に悪質であると判断されれば、訴訟を起こされて損害賠償を請求される可能性もあります。
既往歴について聞かれた際には、嘘をつくことなく正直に伝えましょう。
適応障害で休職中の方は傷病手当金を申請できる
ここからは休職中の方に向けた情報だ。
傷病手当金を申請することで、収入を確保することができるぞ。
申請できるのにしないのは損だよね。
傷病手当金について詳しく教えてよ!
適応障害の発症を機に休職を考える人は多いですが、休職中の収入・貯金に不安を感じる人もまた多いです。
もし、適応障害で休職するのであれば傷病手当金を請求しましょう。
在籍中の会社が健康保険に加入しており、傷病手当金申請の申請要件を満たしていれば傷病手当金として、最長で1年6か月間に渡って給与の3分の2を受け取ることができます。
傷病手当金を受けるための条件に付いては、全国保険協会の公開しているこちらのページをご覧ください。
傷病手当金の申請要件
1.業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
2.仕事に就くことができないこと
3.連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
4.休業した期間について給与の支払いがないこと
全国保険協会(病気やケガで会社を休んだとき)
転職の面接で適応障害を伝えるかのまとめ
このページでは、適応障害を患いながらも転職活動に励む方に向けて、精神疾患を伝えるべきか、適応障害に対する面接官のコメント、適応障害を伝える際のポイントを紹介しました。
面接では、具体的な症状と仕事への影響など詳細を交えて適応障害を申告すべきです。必要な情報を適切な方法で伝えることで、採用を前向きに検討してもらえることがあります。
また、重要な情報を故意に伝えなかったり、虚偽の発言はしないよう注意しましょう。
もし、転職がうまくいくか不安な方は、一人で活動を進めず転職エージェントの力を借りましょう。
精神疾患など転職に際して不利な条件がある方の多くはハローワークに相談していますが、転職エージェントの方が専門性があったり幅広く対応してくれるためにオススメです。
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